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外国人材採用

外国人材エンジニア採用でおさえるべきポイント 外国人材エンジニア採用でおさえるべきポイント

外国人材を雇用するメリット6つ
|組織全体に影響を与える相乗効果

外国人材を雇用するメリット6つ
|組織全体に影響を与える相乗効果

コロナ禍を経て、外国人材の雇用に関する相談が増えています。

外国人材の雇用にあたっては、募集・選考・受け入れ・育成といったそれぞれのプロセスごとに押さえておくべきポイントも多く、外国人材雇用は簡単ではありません。それに加えて獲得競争が激化していることから、本腰を入れた対応が必要です。

外国人材の雇用には、どのようなメリットがあるのでしょうか?結論からいうと、下記6つのメリットが得られます。

    直接的メリット
  1. ITなど高度な専門性を獲得することができる
  2. 外国人材の採用をきっかけに組織の多様性が高まる
  3. 海外の顧客や従業員とのコミュニケーションが円滑になる
    副次的メリット
  1. 今後の外国人材雇用の成功につながるノウハウが得られる
  2. 職務・責任・評価などに関する言語化が進む
  3. 国際コミュニケーションへの関心がひろがる

この記事では、外国人材を雇用するメリットについて詳しく解説していきます。

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外国人材エンジニアを採用する3つのメリット

コラム「外国人エンジニア採用でおさえるべきポイント」の記事では、外国人材を雇用するメリットとして次の3つを挙げました。

  1. メリット1.  ITなど高度な専門性を獲得することができる
  2. メリット2.  外国人材の採用をきっかけに組織の多様性が高まる
  3. メリット3.  海外の顧客や従業員とのコミュニケーションが円滑になる

しかし、外国人材の雇用には人員(数)の確保、専門知識・スキルの獲得といった直接的な効果に加え、組織におよぼす影響など副次的なメリットもあります。

本稿では、外国人を雇用する際の副次的なメリットについてご紹介していきます。

外国人を雇用する副次的なメリット3つ

外国人を雇用する際の副次的なメリットは次の3つです。

●外国人を雇用する際の副次的メリット

  1. 今後の外国人材雇用の成功につながるノウハウが得られる
  2. 職務・責任・評価などに関する言語化が進む
  3. 国際コミュニケーションへの関心がひろがる

直接的で目に見てわかりやすいメリットだけではなく、組織におよぼす影響として副次的なメリットが上記です。それぞれ、解説していきます。

副次的メリット1. 今後の外国人材採用の成功につながるノウハウが得られる

初めて外国人材の雇用を行う場合、失敗の大きな原因となるのはターゲティングや要件定義の誤りです。
職務経験や保有するスキルに加え、日本語力やパーソナリティ、さらには「長く勤務してくれる人」といった一方的な“気持ち”だけが盛り込まれた求人票も珍しくありません。
もし定義された要件が実際にはほとんど存在しないような人物像だったとしたら、採用がうまくいかないのは当たり前です。

数多くの外国人材の面接や受け入れを行い、その成功や失敗を通して市場を知り、また外国人材の特性や習慣(日本人との違い・共通点)などについてのナレッジが組織に蓄積されると、適切な要件定義ができるようになります。

安易な採用をすすめるわけでは決してありませんが、前回のコラム「2次面接のカベ」で解説したように採用に憶病になりすぎると、こういったナレッジはいつまでたっても組織に定着しません。

また、外国人材が入社後に気付くさまざまな不便や不具合を解決していくことは、その後に入社する外国人材が心地よく仕事をする環境作りにつながります。

多くの外国人材が心地よく働き、活躍している会社は、応募段階の外国人材にとって入社を決意する一つの理由となるのです。

副次的メリット2. 職務・責任・評価などに関する言語化が進む

外国人材が入社後に感じる不便や不具合のほとんどは「言葉」に関するものであるといっても過言ではありません。

社内でのインフォメーションが日本語でしか行われないことは外国人材にとって不安やストレスのもととなります。さらに、そこで用いられる言語が独特な社内用語や言い回しであったりすると、日本語を学んだ外国人材でさえも理解ができず、コミュニケーションの妨げとなります。

そして外国人材にとって最もストレスとなるのは、言葉になっていない暗黙の合意や共通理解であるケースが多いです。それが自身の職務やキャリアパスに関することであるとなおさらです。

「ジョブ型(職務型)」の人事制度下では、各ポジションの職務や果たすべき責任、そのために行使すべき権限が明確です。最近では日本でもジョブ型(職務型)の人事制度を導入する企業が増えつつありますが、まだまだ少数です。

外国人材を雇用すること自体が目的になっているような場合には、どのような人材を採るか(採ることができるか)を十分に考えることなく「その人の適性や能力に応じた職務をアサインします」という一見柔軟で現実的に見える求人が作られることが多いのですが、これには注意が必要です。 雇用契約を締結する時点で自身の職務や責任が明確でないポジションに動機をもつことができる人はいません。

また、日常においても、手が空いているように見えるからといって目的や意義を十分に伝えることなくあれもこれも依頼をすることには注意が必要です。

そして、職務やその目的・責任や権限の具体化を求めているのは外国人材だけではありません。
たとえば「Z世代」と呼ばれる若者がそれを求める傾向にあることはすでにさまざまなデータが表していますし、リモートワークに対する適切な評価「同一労働同一賃金」など人事における数々の重要論点が全てそれを要求しているのです。

参照:厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ ~雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保について~」

そういう意味では外国人材を採用するかどうかとは関係なく取り組むべきことではありますが、「ジョブ型」の制度のもとではたらき、その考え方や習慣に慣れ親しんだ彼らの“違和感”は、多様な人材から「選ばれる職場」を目指す上でも貴重なアラートになることは間違いありません。

副次的メリット3. 国際コミュニケーションへの関心が拡がる

外国人材が入社することで、必ずしも日本語力が十分でなく、また日本企業で働く上での習慣を身に付けていない彼らに対するサポート(=Give)が必要になりますが、一方でうまく得るもの(=Take)を作っている例もあります。

コラム「海外現地法人との連携が進む」で解説した内容は実務的で直接的なメリットですが、それ以外に日本人従業員に対して英語や中国語といった外国語を教えたり、海外事情や彼らが学んできたことについてレクチャーする場を設け、それによって海外に関心をもつ従業員が増えたり、英語を学習する従業員が増えたという声を聞いたことは一度や二度ではありません。

そして、自らが一方的にサポートを受ける(Take)だけでなく、組織にGiveする機会を与えることは彼らの帰属意識ややりがいを高めることにつながります。

まずは外国人材に対して「入ったばかりでまだ何もできない」という先入観を捨て、その人のヒストリー(何をきっかけに日本に興味をもったのか、何を学んできたのか、いま日本に居ることの意義は、など)に関心を傾け、その人自身を知ろうとする姿勢が外国人材の受け入れを行う経営者や人事部長に必要なのです。

外国人材雇用についてのメリットまとめ

この記事では、外国人材を雇用することによるメリットについて執筆しました。

最も重要なことは、外国人材を雇用した際に目に見てわかりやすい直接的なメリットだけでなく、相乗効果で社内に広がる副次的なメリットがあることです。

外国人材の雇用にともない環境整備に大きな労力がかかったり、ときに反対する議論が起こったりすることもありますが、それを補う大きなメリット、特に直接的なメリットだけではなく副次的なメリットまでをイメージしてチャレンジしていただくとよいのではないでしょうか。

JAC Recruitmentのコンサルタントは、さまざまな国籍や勤務歴(日系・外資系、海外の現地企業など)を有する多様な人材の転職相談を日々お受けしています。経験やスキル(ハード面)のほか、キャリア形成についての意向や人物的な特性などのソフト面についても把握した上で最適な人材紹介を行います。

また、実際に募集を始める前の情報収集や要件定義の段階からお手伝いをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

この記事の著者

この記事の筆者

佐原 賢治

海外進出支援室 室長


大学卒業後、一貫して「人材採用」に関する業務に従事。現在はJAC Recruitmentのマーケティングスペシャリスト、およびアナリストとして活動中。専門分野は『日本企業のグローバルビジネスと人材戦略』で、年間4~500社の経営者・海外事業部長・人事部長らとお会いして、国内外における人材採用に関するコンサルテーションを行なっている。また同テーマに関する定期的なリサーチを行ない、その結果をメディアや自治体・金融機関等が主催するセミナー等で発表している。

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