海外進出支援室

各国労働市場

【2023年最新版】
アメリカ転職動向・労働市場・マーケット現況を
現地スタッフがレポート

【2023年最新版】
アメリカ転職動向・労働市場・マーケット現況を現地スタッフがレポート

数年続いていたコロナ禍が明け、海外での転職市場も回復してきており、海外転職市場を知りたいというお問い合わせは増えています。ニュース・新聞などから伝わってくる情報だけではなく、実際に現地に住む在住者が日々生活のなかで感じる情報を知りたいという声は多いです。

そこで今回は、アメリカの転職動向・求人労働市場・マーケットや流行などについて、JAC Recruitmentアメリカ支店の日本人コンサルタントに現況インタビューを行いました。

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ランチ4,000円超え？驚くほど高いアメリカの物価

お給料も高いが物価も高いアメリカ。アメリカに対して同じようなイメージをもたれていませんか？当社JAC Recruitmentのアメリカ拠点はL.A.(ロサンゼルス)にありますが、L.A.はアメリカ内で駐在員の生活費がニューヨークに次いで2番目に高いという調査結果があるほど生活費が高い地域といわれています。

ランチでも代金が25ドル、そこにチップも加えるとなると30ドルほどになり、現在の為替レートで日本円換算すると、なんと約4,500円。また高いのは外食だけではなく、食品や日用品も価格が高騰しており、何より住居費が非常に高いのです。

そんな円安ドル高の環境下でも、日系企業の進出に関するお話を絶えず耳にします。それにともない、ある大手不動産デベロッパーはシリコンバレーにオフィスを設立して進出企業の誘致を始めました。

また、アメリカ進出以外でも、円安を契機に経済産業省が始めた中小企業向けの輸出支援プログラムでも一番人気は北米です。

アメリカのL.A.(ロサンゼルス)でも韓国ブーム

少し前からアメリカでは韓国ブームで、現地に住む日本人コンサルタントは「日本（カルチャー）の存在感が薄くなってきてしまっている」と口にします。

先日、L.A.で開催された世界最大級の韓国カルチャーフェスティバルは大盛況で、イベント期間中は会場周辺の韓国系レストランや店舗の売り上げが4～5倍になったそうです。近い時期に日本アーティストによるフェスティバルも開催されていたのですが、集まっていたのは日本人が多く、アメリカ人の来場客はあまり多くありませんでした。

アイドル・ドラマ・メイク・料理…など日本でもさまざまな場面で「韓流」が人気ですが、アメリカでも同様にその人気が高まっているようです。

一方、日本のアニメやゲームは依然として大人気です。「アニメExpo.」がL.A.で開催された際には全米中から来場者が集まり大盛況だったとのことです。

もともと日本のアニメやゲームは人気がありましたが、コロナ禍の巣ごもり需要でそれまでアニメやゲームに触れてこなかった層がアニメやゲームをする機会が増え、非常に人気が高まりました。日本のゲームやアニメのストーリー性の高さや映像の美しさが特にアメリカの人々を惹きつけているようです。

金融ITエンジニアと不動産投資営業職、今がアメリカ転職のチャンス

昨今、L.A.で中途採用が活況なのは「金融系ITエンジニア」です。金融機関に常駐して金融規制の改正などにともなうシステム変更などに対応するエンジニアで、年収は最低でも1,500万円。人材不足は深刻で、採用がうまくいかない企業からの依頼により外注業者も人が足りない状況です。

優秀なエンジニアは、現勤務先からも厚遇でつなぎとめられており、日系企業からはVISAサポートをしてでも日本からITエンジニアを招聘(しょうへい)したいという声が多いです。

また不動産市場も活況で、日系不動産会社では投資営業の要員が不足しています。日本国内に人材はいるものの、北米駐在にたえ得る人材は少なく、国境を越えて駐在要員を探す企業も出ています。

アメリカでは毎年家賃が10％程度上がるので、特に治安が良いエリアの物件は投資対象として優良であり、個人投資家のほか企業などの法人が資産として保有する傾向にあります。

※アメリカで物件を買い取り、リノベーションして価値を上げて日本人投資家に売却するというビジネスモデル
売り先が日本人なので、物件を紹介し売却するまでの対応を日本語でする必要があるため、日本人向け営業ができる方は重宝されています。

アメリカで大人気の日本のお菓子とは…？

アメリカのスーパーやコンビニで大人気の日本のお菓子は何だと思いますか？おせんべい？抹茶？いろいろと思い浮かぶお菓子があるかと思いますが、実は「ハイチュウ」（森永製菓）が大人気なのです。

2022年1月に発売された「HI-CHEW fantasy mix」は2022年に全米コンビニで発売されたキャンディ新商品の中で堂々の売り上げ1位になりました。アジア系のスーパーだけでなく現地のスーパーのキャンディコーナーに陳列されており、現地コンサルタントいわく、日本のどのお菓子よりも今知名度があるのではないかとのことでした。

人気のあまり、2022年には日本に逆輸入されています。筆者もスーパーに行ってHI-CHEWを探してみようと思います。

アメリカ転職動向・マーケット現況まとめ

この記事では、アメリカ転職動向・求人労働市場・流行やマーケット情報などをお伝えしました。

アメリカの転職動向としては、金融ITエンジニア・不動産投資営業職が深刻な人材不足です。アメリカ進出をお考えの企業様は視野に入れてみてはいかがでしょうか。

JAC Recruitmentには、アメリカ支店があり、アメリカに進出している日系企業の採用支援を行っています。日本からも現地採用のご相談を受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

この記事の著者

小林美紗

海外進出支援室　アドバイザー

日系大手機械メーカーの人事部で新卒採用担当として大学・高専卒、外国人留学生などの採用、受け入れに携わった後、資材調達部に異動し、コネクタ、ワイヤーハーネス、アルミダイキャストなどの国際調達を行なった。 2022年より現職。グローバル企業における実体験を活かして海外事業要員確保に関する助言を行なうほか、人材確保に関する国内外での調査を行なう。大学での研究テーマは「多文化接触論」。カナダへの留学経験(1年)と中学校・高等学校の教員免許を持つ。