海外進出支援室

  1. 海外進出支援室のご紹介
  2. >NEWS一覧

キャリア

海外駐在を目指す人が20代のうちにしておくべきこと 海外駐在を目指す人が20代のうちにしておくべきこと

海外駐在を目指す人が20代のうちに
しておくべきこと

近い将来海外駐在に行きたい・・・、でも海外駐在員にアサインされるにはどんなスキルが必要なの・・・?そんな悩みを抱えている20代の方は少なくないのではないでしょうか。
多くの企業が「語学はできるけど、経験が足りない」、「経験はあるけど、語学力が足りない」と、駐在員を選ぶ際に苦悩しています。
私も実際に「語学はできるけど、経験が足りない」ことを理由に希望が却下されたことがありますが、そんな経験も踏まえて、海外駐在のチャンスを掴むために「20代のうちにしておくべきこと5選」をお伝えします。

1. プロジェクトマネジメントを経験する

海外駐在員のミッションを一言で言うと、現地法人や現地事業の「マネジメント」です。海外駐在に管理職以上の人が派遣されるのはそのためです。仮にマネジメントのポジションで派遣されていなかったとしても、ナショナルスタッフの指導や、日本本社との連絡窓口といったマネジメント的な役割を担っている、ということはよくある話です。
そのため、海外駐在員にマネジメント経験は不可欠と言えます。
しかし、20代のうちにその経験を積むことができる人は稀でしょう。一方、管理職にならなくてもプロジェクト単位のマネジメントであればどうでしょう。チーム内の小さなプロジェクトであっても、自分自身がプロジェクトを主体となって進める経験というのは、マネジメント経験の第一歩に繋がるはずです。小さいプロジェクトに慣れてきたら、今度は部を横断したプロジェクトに挑戦してみてください。少しずつ規模を大きくしていくことで、役職に就いていなくても十分にマネジメントの経験を得ることができるはずです。

2. 社内でのネットワークを拡げる

社内で顔と名前を覚えてもらい、協働できる仲間を増やすことが大切です。駐在員として海外に派遣されると、業務の幅が広がり、時に未経験の職務にチャレンジすることが求められます。本社勤務時代には経験していない業務を、自分がフォローしなければいけない場面が出てきます。そこで、問題が発生した際に、どこから手を付けたら良いのか分からなくなってしまうこともあります。
そのため、サポートやアドバイスをくれる存在を社内の1部署に1人は作っておくといいでしょう。
特にお勧めするのは、海外経験のある方とのネットワークを拡げること。なぜなら、海外駐在経験がある方たちは、多かれ少なかれ同じような経験をしたことがあるはずだからです。多少面倒なお願いであったとしても、「あの頃、自分も同じように苦労していたな」と思い、手を差し伸べてくれるはずです。大げさに媚を売る必要はありませんが、普段の業務や社外でのコミュニケーションを通して、良好な関係を築いてみてください。

3. 社外の価値観を知る

今の仕事の進め方の常識が、一歩社外に出た時に、常識であるは限りません。今20代の方で、かつ海外駐在を目指している方は、新卒から今の会社に勤め続けている方が多いと思います。初めて社会人として覚えたその業務、仕事の進め方、また専門用語は、他社で当たり前に使われているものかというと、そうではないことの方が多いです。そして、同じ会社であっても、本社と海外子会社でも異なる場合があります。しかし、会社で評価され、業績を上げている人ほど、その常識が他では通用しないことを失念している傾向にあります。優秀だからこそ、今のやり方が正しいと思い込んでしまうのです。
そのため、積極的に同業者・同職種交流会などに参加し、他社の「普通」を知ってみてください。
これは、海外駐在員として派遣された際に仕事上の常識の違いに戸惑わないためにも、日本にいるうちから行っておくことに意味があります。交流会への参加が難しい場合には、学生時代の友人と話すことでも構いません。
社外の常識・価値観を早い段階から取り入れることで、物事を広い視点で考えることができるようになるでしょう。

4. 会計知識をつける

「海外駐在員はマルチタスク」と言われるように、海外駐在員は製造や営業といった自身の専門分野以外の業務も担わなければなりません。その際、最も苦労するのが会計です。
そのため、本社の経理部門や現地の会計事務所と円滑にやりとりができる最低限の知識が必要です (目安としては簿記3級) 。自力で決算ができるほどの知識でなくとも問題ありません。
ちなみに私はメーカーで人事部にいましたが、「簿記2級を取れないと、駐在員候補に入れられない」と言われた経験があります。
さらに、会計知識をもとに財務分析を行なうスキルを身に着けると、それは国内・海外を問わず、ビジネスパーソンとしてのキャリアの可能性を大きく拡げることにもなります。

5. 英語以外の語学を習得する

英語に加えて、自社が展開している海外拠点のある国の言語を習得することで、その国の駐在員候補になる可能性が高くなります。海外拠点は必ずしも英語圏とは限らないはずです。実際に日系企業の海外進出国ランキングでは、1位中国、2位アメリカ、3位タイ、4位インド、5位ベトナムと、上位5カ国のうち4か国は第一言語が英語ではない国です。
そのため、現地の言葉を習得していることが、あなたをその国に駐在させる大きな理由に繋がるでしょう。
日系企業の海外拠点で働くナショナルスタッフの中には、日本語や英語が堪能なスタッフがいたり、企業によっては通訳の方が専任で付いてくれたりすることもありますが、なかには母国語しか話さないスタッフがいることも少なくありません。特にオフィスではなく工場で働いているナショナルスタッフの大半は母国語しか話さないため、工場勤務になる方であれば、スタッフの方々とコミュニケーションを取れることは大きなアドバンテージになります。
また営業として海外拠点に行く場合には、日系以外の企業との商談の場面もあります。特に最近では日系企業のお客様が日系向けのビジネスだけでは立ち行かなくなってきて、現地マーケットにもアプローチしていく必要が出てきているという話をよく耳にします。このことからも、現地の言葉を習得することの重要性が分かるでしょう。

最後に・・・

あなたが本気で海外駐在に行きたいと思っていることは、意外と上司や人事に伝わっていないかもしれません。日頃お客様と話をする中で、「海外駐在に行きたいと思う若手が、少なくなってきている」という話をよく耳にする一方、当社のご登録者の中には「今の会社では、なかなかチャンスが巡ってこないので、海外勤務を希望して転職活動を行っている」という方が数多くいらっしゃいます。

チャンスがある企業には海外駐在に行きたい人が少なく、海外駐在に行きたい人が多い企業にはチャンスがあまりない、というミスマッチが起こっているのも確かだと思います。しかし、「本来チャンスがある企業に在籍しているはずなのに、駐在への意思がうまく全社に伝わっていない(=気付いてもらえていない)だけではないか」と推測することがあります。

海外駐在員の派遣を決めるのは事業部だけではありません。人事部も大きく関わっています。上司だけではなく、人事の定期面談(ヒアリング)があれば、その場でも意思表示をするなど、日頃から発信し続けてみてください。一度ではなく、発信し続けることが大切です。そして、「海外駐在に行きたい?」と聞かれた際には、「はい、行きたいです」と即答してください。間を置いてはいけません。大事なポイントは、即答することです。

この記事の著者

この記事の筆者

小林 美紗

海外進出支援室 アドバイザー


日系大手機械メーカーの人事部で新卒採用担当として大学・高専卒、外国人留学生などの採用、受け入れに携わった後、資材調達部に異動し、コネクタ、ワイヤーハーネス、アルミダイキャストなどの国際調達を行なった。 2022年より現職。グローバル企業における実体験を活かして海外事業要員確保に関する助言を行なうほか、人材確保に関する国内外での調査を行なう。 大学での研究テーマは「多文化接触論」。カナダへの留学経験(1年)と中学校・高等学校の教員免許を持つ。

海外進出支援室発行メールマガジン

業界・海外の人材マーケット情報、 セミナー情報、人材情報など、グローバル事業展開を人材面からサポートする 情報満載のメールマガジンを発行しております。(月1回程度)



グローバルビジネスにおいて即戦力となる人材をご紹介します