JACジャパンは、大学の経営環境が厳しさを増す中、博士号取得後も定職に就けないポストドクターに関する民間企業の採用意識調査を実施しました。

●25%が「採用実績あり」
調査は6月中下旬、関東・中部東海・関西地区の民間企業を対象にアンケート方式で実施し、466社(上場144社、非上場322社)から有効回答を得ました。その結果、全体の25%に当たる116社で既にポストドクターの採用実績があり、また、今後の採用に関しても全体の39%が「可能性あり」と前向きな姿勢を示しました。

採用検討企業を業界別にみると、金融業界75.9%(22社)、電気・機械関係44.5%(97社)が高く、特に研究・開発分野でポストドクターの高い専門性を評価する傾向が強くなっています。採用実績のある企業の79%が引き続き意欲をみせる一方で、これまで実績のない企業も26%が関心を示しています。

●「専門性」と同時に求められる「発展性」
一方、採用に消極的な企業は、その理由として「活躍できるポジションがない」「実務経験が乏しい」「キャリアに汎用性がない」などを多く挙げています。ポストドクターの就職は、培った「専門性」を「企業の戦力」としてどれだけ発展性をもってアピールできるかがカギを握っているようです。


※ポストドクターとは・・・博士号取得者又はこれと同等の研究能力を有する者であり、定職を持たず、大学、国立試験研究機関等で研究を行っている者で、大学等において研究を行うために何らかの支援(研究費による雇用も含む)を受けている者(文部科学省資料)