関西に本社を持つ上場企業が事業のグローバル化を進める上で、語学や現地人材のマネジメントに関する部課長層のスキル不足が課題となっており、この傾向は大企業ほど強い-。人材紹介の株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント(代表取締役社長・COO:松園健、本社:東京都千代田区、以下「JAC」)が、経営コンサルティングの株式会社ドリームインキュベータとこのほど共同実施したアンケート調査で、このような結果が浮かび上がりました。

この調査は、JACが自社の顧客企業を対象として調査票を送付する形式で実施し、関西に本社を持ち、現在すでに海外事業に取り組んでいるか、海外事業を計画している上場企業30社から回答を得ました。

調査ではまず、事業展開を重視している地域について質問したところ(複数回答可)、中国が全体の96%と突出、その他アジアが54%となり、中国を中心とするアジア地域に対する強い関心が浮き彫りとなりました。3位のインド(32%)、4位の米国、南米(ともに14%)を大きく引き離す結果となっています。

次に海外に派遣する社員のうち、どの階層に課題意識を持っているかについて質問したところ(複数回答可)、課長層が全体の73%、部長層が63%となり、若手層の43%とは20ポイント以上の差がつきました。海外の現地法人でトップ・幹部を担うべき人材層に課題が集中する結果となっています。また、「課長層に課題あり」と回答した企業の平均従業員数は3万545人、「部長層に課題あり」とした企業は同3万1394人で、ともに「若手層に課題あり」の同5915人を大きく上回っており、大企業ほど、部課長層を課題視する傾向が強くなっています。

具体的な課題(複数回答可)としては、現地人材のマネジメント力が全体の69%、英語が62%と人材スキルに関する項目が上位にならび、海外勤務への心構え(38%)、現地情勢の基礎知識(34%)などを大きく引き離しています。しかし、海外に派遣する人材の育成に向けた取り組み(複数回答可)としては、現状、海外派遣前研修(70%)、英会話学校派遣制度(50%)と比較的短期・簡易な項目が上位に並び、最も効果的な解決策は経験者の「中途採用」という結果となりました。